D&O(会社役員賠償責任)保険はリスクに対応した保険です。 会社の取締役、監査役が業務遂行に起因して“株主”や第三者から損害賠償請求を提起された場合に被る役員個人の経済的損害を補償します。
会社役員は、株主からの株主代表訴訟、顧客・取引先・金融機関(債権者)・競合企業からの不法行為訴訟、従業員からの就業差別や不当解雇またはハラスメントなどに関する訴訟など、常に多くの訴訟リスクを抱えています。役員としての業務を行っていくうえで、企業として上記リスクに備える保険を手配しておくことがリスクマネジメント上、一般的となっています。 訴訟として①株主代表訴訟 ②会社訴訟 ③第三者訴訟と大きく分けて3つございますが、昨今では特に従業員とのトラブルから訴訟となる第三者訴訟での事案が懸念されています。理由としましては、ハラスメント対策の法制化に伴い、雇用慣行に関するリスクが高くなっていること、そして働き方改革の推進を図っている中で、各企業において社員・従業員に対しての安全配慮義務の遂行が注目されているからです。 D&O保険を検討する際には、必ず雇用慣行責任に関するリスクと使用者責任に関するリスクを共に検討される事を推奨いたします。
雇用慣行賠償責任保険とは、不当解雇やハラスメント等の雇用環境トラブルによって、貴社に対して訴訟、労働審判が提起された場合に被る損害(法律上の責任)について保険金をお支払いします。
◆<事例1>ハラスメント 30代の女性従業員2名が専務から性的関係を迫られ、社長に抗議したが、降格、減給処分となり体調を崩して退職に追い込まれたとして、会社と社長および専務を相手取り、慰謝料などの損害賠償を求めた。その結果、会社と専務に約3,000万円の支払いが命じられた(2002 年岡山地裁判決) ◆<事例2>不当解雇 従業員が上司から仕事を与えられず、また達成不可能な売上ノルマを課せられるといったパワハラを約3年半受け、そのストレスから視覚障害を発症、休職に追い込まれ自動退職扱い(解雇)されたとして訴訟を起こした。裁判の結果、パワハラと視覚障害の相当因果関係は認められなかったものの、解雇は不当だとして会社に未払い賃金の支払いが命じられた(2012 年東京地裁判決) 【参考URL】 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/mng_guide.html